CourseraやedXのような米国の超エリート大学を中心として始まった集団オンライン教育コースについて、様々な懸念が表明されています。ひとつは超有名なスーパープロフェッサーが、教授職の半分以上を葬り去ってしまうのではないかということです。Courseraを通じて益々名声を高めることになるスーパープロフェッサーの選考過程を考えてみると、そこに選ばれる側の競争が生じます。これは最高ランクの教授の間でさらに「ベストのベスト」をめぐる競争が生じることを意味します。Courseraの有名教授は所属大学から給料があるので、おそらく無料でオンライン教育に携わるでしょう。もしくは他の雇主から報酬を得て他のオンライン教育の教授になるかもしれません。ハーバード大学で古代ギリシアの英雄に関する無料オンライン講座が開かれるのに多数の学生、卒業生、研究職が無償で協力しています。このことは運営する側にとってのメリットでしかありません。このように無償でオンライン教育が行われることで少数の巨大な教育機関のみが生き残ることになります。二流三流の大学や地域コミュニティに根ざした大学は消滅していくかもしれません。僕自身はオンライン教育をネガティブにはとらえておらず、弊害は法規制によって解消できると考えます。ただし公的な教育に対する介入の問題や、独占禁止法のような法律を高等教育に適用するという前例のない法的課題が生じるかもしれません。
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