従業員規則(職工手冊)の中に以下の章を入れてはいかがでしょうか。以下は、上海市の企業を念頭に置いて上海市の条例に適合する形で規定を作りました。なお中文版はHP上にアップできませんでしたが当事務所にあります。
第1章 発明等の取扱い
第1条 以下の発明は会社に帰属し、会社が出願しもしくは出願しない権利を有する。
(1)会社の任務の執行における発明
(2)会社の設備、機器、装置を主に利用して完成した発明
(3)会社の設備、機器、装置を一部利用して完成した発明
(4)国家、省、市などの政府が資金援助した科学研究プロジェクトで生まれた発明
2 会社は発明者に対して、会社が当該発明を譲渡または放棄する場合には発明者が優先的に同じ条件の下で譲受けることができる旨を書面により通知しなければならない。
3 発明者は会社から前項の通知を受けた場合には、通知受領後2週間以内に譲受けるか否かを会社に対して書面で回答しなければならない。双方が合意した期限を経過しても発明者または設計者が回答しない場合には単位は譲受を放棄したものとみなすことができる。
4 発明者が会社から当該発明を譲受ける場合には会社との間で当該発明に関する権利と義務につき協議のうえ書面形式の譲渡契約を作成しなければならない。
第2条 会社が前条第1項の発明、実用新案を自ら実施している場合には、実施による税引き後利益の5%を発明者に支払い、意匠を自ら実施している場合には実施による税引き後利益の1%を設計者に支払う。報酬の支払い時期は毎年6月30日までに前年度の分を支払う。
2 前項において実施による税引き後利益とは、職務発明の製品または製造方法による全体の税引き後利益を基礎とし、これに職務発明が全体の製品または製造方法に技術貢献している割合、契約または法律法規の規定において報酬を割り出す割合、発明者または設計者が発明、意匠に個人として貢献した割合を参考として計算する。
3 会社が職務発明を譲渡した場合には、譲渡対価の税引き後利益の30%を支払い、会社が職務発明を第三者に実施許諾した場合には、ロイヤリティの税引き後利益の30%を発明者または設計者に支払う。報酬の支払い時期は譲渡対価またはロイヤルティが支払われた後3ヶ月以内とする。
4 前項において税引き後利益とは、譲渡対価、ロイヤルティ額に職務発明の全体の譲渡またはライセンスプロジェクト中の技術貢献割合、契約または法律法規の規定において報酬を割り出す割合、発明者または設計者が発明、意匠に個人のとして貢献した割合を参考として計算する。
5 会社が特許申請権または特許権を無償若しくは低価で譲渡しまたは実施許諾する場合には、当該発明の市場価格の税引き後利益を参照し発明者または設計者に報酬を支払う。
第3条 会社が特許権の侵害で紛争となり、和解等で賠償金等を得た場合には、賠償金から弁護士費用など賠償金獲得に要した経費を差引いた残りを前条の他人に実施許諾した場合の収益とみなして発明者に対し報酬を支払う。
第4条 会社は職務発明を自ら実施した場合には3ヶ月以内に、譲渡若しくはライセンス契約を締結した場合には30日以内に、発明者または設計者にその旨を通知する。
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