尾近法律事務所 本文へジャンプ
中国ニュース

2 知的財産権


  • 上海市で職務発明に関する新弁法施行(2)

上海市発明創造権利の帰属と職務報酬弁法は、さらに興味深い規定を置いている。発明者に対して知る権利を付与している。

第12条 (発明者又は設計者の関連情報に対する知る権利)
  単位は発明者又は設計者との職務発明報酬に関する契約に基づき、職務発明創造を自己実施したのち三ヶ月以内に、若しくは譲渡、ライセンスの契約を締結した後三十日以内に、関連情報を発明者又は設計者に通知しなければならない。

発明者以外にも奨励金を与えるべき場合がある。事業化等に大きな貢献をした者がいる場合などである。
第13条 (発明者又は設計者及び突出した貢献をした人員に与える奨励)
  特許権を与えられた国家企業事業単位は特許権の公告日から三ヶ月以内に発明者又は設計者に相応な奨金を与えるべきである。一項の発明特許の奨金は2000元より低くなく、一項の実用新案又は意匠の奨金は500元より低くてはならない。国家事業単位以外の単位はこれを参考として執行できる。
  特許権を与えられた単位は特許権の有効期間内に、その職務発明を実施、譲渡、ライセンスした後、発明創造の転化の為に巨大な貢献をした人員に奨励を与えるべきである。
  本弁法に基づき支払う奨金について、企業の場合は経費とすることができ、事業単位の場合は事業費に組み入れることができる。

紛争解決の方法に関する規定が置かれている。
第14条(発明創造権の帰属及び報酬に関する紛争の救済方法)
  発明創造の権利帰属契約又は職務発明報酬の契約においてその履行中に紛争が発生した場合、当事者が自ら協議することができ、職務発明単位の管理部門又は関連政府部門に請求して協調解決を求めることもできる。仲裁に付する協議があれば、仲裁を請求することもでき、仲裁に付する協議がなければ、法に基づき人民裁判所に訴えることもできる。

また違反に対する処分を課する規定がある。
第15条 (関連責任)
  単位が本弁法のある規定に違反し、発明者又は設計者及び発明創造の転化に突出した貢献をした人員の合法的権益を侵害し、且つ社会に重大な良くない影響をもたらす場合、関係政府部門は規定に基づき、当該単位の特許に関する補助金及び栄誉を取り消すことができ、当該単位の上級単位または主管部門は、国家と本市の関連規定により、その単位の主要な責任者に相応の処分を与える。

施行日は本年4月29日である。
第16条 (施行日)
  本弁法は2007年4月29日から施行すること。

                                            中国ニュース一覧へ戻る




Copyright(C)2010,Ochika Law Office. All Rights Reserved.