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1労働問題


  • 労働契約法第三稿(第二稿との相違点)その1

労働契約法草案第三稿中、第二稿と異なる部分について(カッコ内は第二稿での対応規定である)
第一条 労働契約制度を整備し、調和のとれた安定的労働契約関係を構築し、発展させて、労働者の合法的な権益を擁護するために、本法を制定する。 (第1条 使用者と労働者との労働契約の締結、履行、変更、解除、終了行為を規範化し、調和の取れた安定的労働関係を構築し、発展させて、労働者の合法的権益を擁護するために、労働法に基づいて本法を制定する。)

第四条 
4項 労働者と密接な関係にある利益に直接かかわる使用者の規則制度は開示するか、もしくは労働者に告知しなければならない。(第二稿の「労働者に配布しなければならない」を「労働者に告知しなければならない」に改めた。)
第七条 使用者は、雇用の日から労働者と労働関係を形成する。雇用者は、雇用名簿を作成しなければならない。使用者は、雇用の日から労働者と労働関係を形成する。雇用者は、検査に備え労働者名簿を作成しなければならない。
第十条 労働関係の成立にあたっては、書面労働契約を締結しなければならない。すでに労働関係が成立しているが書面形式で労働契約を締結していない場合は、雇用の日から一ヶ月以内に書面による労働契約を締結しなければならない。雇用者が労働者を雇用する前に労働契約を締結した場合、労働関係は労働者を任用する日から成立する。(第7条 使用者は雇用の日から労働者と労働関係を形成する。労働関係を形成するには雇用手続きを行い、労働契約を書面形式で締結しなければならない。 すでに労働関係が成立しているが、使用者が労働者と労働契約を書面形式で締結していない場合には、雇用の日より1ヶ月以内に書面労働契約を締結しなければならない。
第8条 使用者が労働者を募集・雇用する際には、募集し雇用した労働者の名簿を作成して労働者に勤務証明書を発行しなければならない。)

第十五条 第二稿に一定の業務の完成をもって期限とする労働契約を締結できる具体的な場面を挙げていたが、第三稿の
15条においては、それらの場面を挙げていない。 第十六条 労働契約は使用者と労働者が協議のうえ合意し、かつ使用者及び労働者が契約書に署名または捺印することで発効するものとする。労働契約は使用者と労働者が一部ずつ保有する。
第十九条 労働契約が、三ヶ月以上(第二稿ではこの限定はない)一年未満の場合の試用期間は一ヶ月を超えてはいけない。労働契約が一年以上三年以下の場合に試用期間は二ヶ月を超えてはいけない。三年以上の固定期間のある労働契約及び固定期間のない労働契約の試用期間は六ヶ月を超えてはいけない。同一の使用者が同一の労働者と試用期間を約定するのは一回限りとする。一定の業務の完成をもって期限とする労働契約また労働契約の期限が三ヶ月未満の場合は、試用期間を約定してはいけない(第二稿ではなかった規定)。労働契約で試用期間のみを約定しているか、または労働契約の期間が試用期間と同じ場合は、試用期間は成立せず、当該機関を労働契約の期間とする。
第二十条 労働者の試用期間の賃金は当該会社同類の職場の最低賃金または労働契約で約定した賃金の80%を下回ってはいけない。また、当該会社所在地の最低賃金に下回ってはいけない(第二稿ではなかった規定)。
第二十二条 使用者は国の規定した職工養成費以外に特別養成費を提供し、労働者に対し(第二稿では「1ヶ月以上生産から離れた」との限定があった)特別技術養成を行う場合、当該労働者と協議を締結し、服務期間を拘束することができる。労働者が服務の約定に違反した場合、約定により使用者に違約金を支払わなければならない。服務期間に違反した場合の違約金の金額は、使用者が提供する養成費用を越えてはならない。違約行為のあった場合に労働者が支払う違約金は、服務期間の未履行部分に割り当てられるべき養成費用を超えてはいけない。使用者と労働者が約定した服務期間が比較的長い場合、使用者は賃金調整システムによって労働者の服務期間における労働報酬を増額しなければならない。 
第二十六条 下記の労働契約は無効または一部無効とする。
@詐欺、脅迫等の手段又は相手方の危機に乗じ、相手方の意志に反して労働契約を締結させる場合(第二稿では「使用者が」とされていたのが労働者も含む双方に関する規定となった) A使用者は自分の自らの法定の責任を免除し、労働者の権利を排除している場合 B法律、行政法規で規定されている内容に違反する場合。労働契約の無効または一部無効については、労働行政機構(第二稿ではなかった)、労働紛争仲裁機構または人民法院が確認する。 第二十九条 労働契約の無効が確認された時点で、労働者が既に労働を提供している場合、使用者は労働者に労働報酬を支払わなければならない。労働報酬額は使用者における同一職種の労働者の労働報酬を参考にして確定する。使用者に同一職種がない場合に、当該使用者職員の平均賃金により確定する。(第二稿の29条の最後の文は「使用者に同一職種がない場合には使用者の所在地の区の市人民政府の労働力市場賃金指導金額により確定する」であった。)
第三十条 使用者が労働報酬の支給遅滞の場合または一部支給の場合には、労働者は人民法院に対し支給命令を申請することができる。(第二稿の
31条にあった「支給命令の執行を拒否した場合は人民法院が法により強制執行する」の文言を削除した。)
第三十九条 使用者は労働者に下記のいずれかの状況がある場合、労働契約を解除することができる。 @ 試用期間中に採用条件に合致していないことが証明された場合 A 使用者の規則制度に著しく違反し、使用者の規則制度にもとづいて労働契約を解除すべき場合 B 著しい職務怠慢、不正利得行為により使用者の利益に重大な損害を与えた場合 C 労働者が他の使用者と同時に労働関係を持ち、業務遂行に著しい影響を与えて、使用者の指摘にもかかわらず是正しなかった場合 D 本法261項により労働契約が無効と認められる場合(第二稿にはなかった) E 法により刑事責任を追及された場合


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