上海の職場人間学（ある日系企業の経営ファイル）増補版
辻誠著 蒼蒼社 2003年4月
著者は東京外大中国語科卒業後、商社に入り、日商岩井北京事務所長などを経て1995年、住建産業に入社、同社の上海法人総経理となる。本書は上海での総経理時代の経験が具体的に記されている。ストライキ、サボタージュ、従業員の死亡事故後の示談などにつき述べられ、ドラマの脚本を読むようでわかりやすい。従業員の葬儀代を火葬の前と後で2回に分けて支払い補償した話は他で聞いたことが無かった。他に中国人とっての単位の意味、档案の意味など興味深い。やや年数が経過しているが、現在でも参考になると思われる。
（文責 尾近正幸）
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