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 雑記帳

岸田文雄外相



 岸田文雄外相がフィリピンなどアジア数か国を訪問している。どちらかといえばハト派的なのでいいのだが、外務大臣が今の日本でこういうレベルの人でいいのかなと思う。
 日本では議員の国会での活動期間が諸外国に比べて長い、とされる。外務大臣になると、国会開会中で少し欠席というわけにいかないし、委員会活動も重要とされる。したがって外国訪問にかけられる日数が少ない。
 その結果、国内向けの顔が大切になり、語学力や諸外国要人との個人的なパイプもそれほど重要ではない。
 岸田氏は二世議員なのだが、選挙区が広島で、選挙のためもあってか様々な地元の、また業界の役職を兼務しており、党務もあるだろうから、自らの選挙区だけでなく、他の自民党国会議員選挙候補者、地方議会、首長候補者の応援などもある。
 党内バランスで岸田氏が外相になって、それで日本の外交関係は安泰なのだろうか?
 憲法では外相など国務大臣は過半数が国会議員の中から選出されなければならないと規定されているが、従来、国会議員外から起用される例は、多くても2〜3人程度ではないだろうか。
 個人的には藤原帰一東大教授(政治学)のような米国とのパイプのあるリベラルな人が好ましいと思っているので、彼などが外相に起用されればと思うが、外務省出身者でもいいと思う。外相は外遊時や国際会議で英語でスピーチができなければならない。同時通訳を聞きながら、メモを読みながらではなく肉声でメッセージを伝えられなければならない。
 古川元久氏は民主党政権時代に内閣府特命担当大臣(財政政策担当)でダボス会議に出席してアジアと日本経済についてのシンポジウムの際にパネリストの一人として出席していたが、香港その他の諸国のパネリストの中でただひとり同時通訳のヘッドホーンをかぶり、発言の際にはメモを読みながらの参加であった。
 彼は東大弁論部の後輩にあたり、元大蔵省官僚でその優秀ぶりはよく知っているのだが、その彼ですら、国際会議のパネラーとしては見劣りがする。香港のドナルド・ツアン(曾蔭権)香港特別行政区行政府長官はアジア金融危機の時に香港で何が起きたのか、そののちどのように回復していったのかにつき心を込めて(もちろん、メモなども持たずに)語り、討論に参加していた。
 外務大臣であれば、日本が戦後、平和国家として、アジアをはじめ発展途上国に対してODAを行い、技術移転を行い、また国際的な平和維持活動に汗を流してきたことを自分の理念からほとばしる言葉で語れなければならない。
 語学力だけでいえば外務官僚出身者がいいのだが、外務省内では予算の使い道で機密費が多いことをいいことにグレーな予算執行が行われてきたことがあり、そのチェックを外務省OBにさせるというのは無理だから、学者か経済界ということになろう。
 なお、岸田氏は今の自民党内ではかなり優秀な方に属すると思うので、彼を非難するつもりはない


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