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 雑記帳

携帯電話の通信規格



 携帯電話の通信規格で、LTEという規格が最も新しくデータ通信量と速度が速いということで、各社で販売合戦が行われている。通信規格は第3世代(3G)といわれるWCDMAという規格から、第4世代(4G)に移りつつあるが、このLTEは当初、第3世代と第4世代の間の規格といわれてきた(3.9世代という呼び方など)。今では、これを第4世代の一部に認める国際電気通信連合などの団体も現れているようだ。
 問題は関連する必須特許の保有者で、LTEでは次のように一般に紹介されている。
  
  クアルコム 13%、インターデジタル 20%、サムソン 8%、
  エリクソン 8%、 華為 7%、 モトローラ 7%
  ZTE 6%、 NTTDOCOMO 5%、 LG 5%、ノキア・シーメンス 3%、 
  パナソニック 3%、 その他15%

これを次のような第3世代の特許保有者と比較する。
  クアルコム 38%、エリクソン 18%、 ノキア 13%
  モトロ−ラ 5%、 フィリップス 3%、 NTTDOCOMO 3%、
  シーメンス、三菱電機、富士通、日立 各2%
  松下電器 1%、 インターデジタル 2%、その他 9%

 まずLTEにおける、クアルコムの割合の低下が目を引く。そしてサムソンとLGの躍進である。また華為とZTE(いずれも中国企業)が、やはりかなり研究開発と特許化に力を入れていることがわかる。日本勢は第3世代もLTEもいずれも、いまいち冴えないといっていいだろう。なおインターデジタルは特許保有専門の米国の会社である。自らは最終製品も部品も製造していない。ライセンス収入のみで会社運営をしているため、訴訟提起が多い。LTE関連でもサムソン、ノキアなどを米国で特許権侵害で訴えている。このインターデジタルの株をグーグルが買収するのではないかという噂がある。
 他にはノキアの後退が目につく。フィンランドのノキアは、携帯電話で当初、非常に力を持っていたが、近年、劣勢と経営悪化が伝えられている。中国で僕が最初に買ったのはノキアの携帯電話だった(次はソニーエリクソンに買い替えた)。
 LTEは第3世代携帯電話との互換性をあまり気にすることなく開発されたようで、基地局(これが最も投資コストがかかる)も別途LTE用のものを建設しなければならないようだ。
 LTEの規格一つとっても中韓の躍進が感じられ、携帯電話業界のプレーヤーの地殻変動を感じる。


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