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中国ニュース

3 独占禁止法


  • 中国独占禁止法と再販売価格維持(2)

これまで自動車メーカーは、販売業者に対して販売地域の制限を厳格に行ってきた。たとえば、上海の自動車ディーラーが上海でメーカーから調達した自動車を重慶など他の地域で販売することは、メーカーとの契約違反であり、ペナルティや契約解除などを招く許されない行為であった。
2008年8月施行の独占禁止法は、このような販売業者の地域外(越境)販売を禁止することを困難にした。実はテリトリー外に自動車を販売したいという要望はディーラーの間では強かったのである。
成都所在の、ある広州トヨタ販売業者は、「独占禁止法」の中に区域制限に関する規定が設けられ、事業者間の協定で販売市場を分割することが独占的協定として禁止されることは良いことであるが、販売業者にとって、遠いところに車を販売することになると、アフターサービスは問題になるという。即ち、車の購入は一回限りの消費ではなく、アフターサービスや修理維持などを含むし、またそれこそ販売業者の主な収入源になるゆえに、アフターサービスは重要なポイントである。この販売業者は、今までメーカーが販売業者に対して価格制限を行うことは極めて少なかったため、「独占禁止法」が登場するかどうかにかかわらず、価格は市場に決められることになり、今回は、独占禁止法により販売業者に自ら価格を決めるチャンスが広められたことになる、と述べた。

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