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中国ニュース

6 経済


  • 書評(4) 中国ビジネスの参考図書

中国人をやる気にさせる人材マネジメント
張晟 著 ダイヤモンド社 20052

著者は上海生まれの中国人で1995年に28歳で慶応大学経済学部を卒業し、ユニ・チャームに入社、1996年から2003年まで上海ユニ・チャームで勤務し最後は営業本部本部長にまでなった人物である。現在はコンサルタントである。人事労務の現場に携わった著者の論旨は明快である。この手の本は日本人、中国人ともにいくつか書かれているようだが、本書は、なにより中国の変化の早さを強調している点に共感できる。私見であるが、著者は中国人の価値観、行動特性、文化などは変化しがたいものとしているが、疑問を感じる。広い中国国内で地方により、性格や行動様式が異なるのは著者も認めるところ。ではそれは何に由来するのか。日本人を振り返ってみて、また韓国人を観察していて、価値観、行動特性、文化というのは、変化しにくいものと断言できるだろうか。日本人、韓国人でもその地方の性格が論じられてきたが、現在も県民性のような論調は通用しているのだろうか。わたしには北京人、上海人、広州人といったくくり自体、色あせてくる日は近いと感じている。メンタリティもボーダーレス化しているのではあるまいか。
 ただし本書が中国で働く日本人ビジネスマンの参考になるのは確かである。
(文責 尾近正幸)

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