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中国ニュース

4 諸法、裁判制度


  • 中国物権法入門(その2)

本年、101日より物権法が施行されます。もう少しくわしく内容を見ておきましょう。公共利益のため国家による土地の徴収ができるのですが、その際支払われる経済補償金は次のようなものです。
土地使用権   買い入れ時の土地払下げ代金の返却
工業用地の場合  土地払い下げ代金総額/使用総年数)×(使用総年数−使用経過年数)
建物等     固定資産の適正な評価額

 この補償基準で、徴収される側にとって十分な補償が与えられるかは大いに疑問がありますので、少なくとも土地使用権譲受の際に都市計画やゾーニングにつきできるかぎりの情報を収集しておく必要があります。
また浮動担保制度が設けられました。これにより、原材料や製品等の動産上に抵当権を設定することができるようになりましした。さらに売掛金に質権を設定することもできるようになりました。これらが実務上本当に円滑に利用されるかは今後の金融機関の対応によってきます。
担保権の登記先は、売掛金の場合、信用情報管理機関ですがこれはまだ設立されていません。
さらに留置権範囲が拡大しました。 従来は留置できる対象が限定されていましたが、物権法では「法律が規定した、あるいは当事者が約定した留置できない動産については留置してはならない」と規定され(第232条)、債権者が債務者の動産を占有していれば、その動産に対し債権との関連性がなくても留置権を行使できることになります。 ただし企業間ではなく個人の場合には、留置対象動産は債権との法律関係が必要です。

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