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中国ニュース

5 貿易実務


  • 中国との委託加工入門(3)

来料加工について税関の承認がおりると加工貿易登記手冊が公布され、これを原材料、製品の通関のときに税関に提出し関税増値税の免除を受けることになります。中国から出すインボイスには加工賃を書くことになります。税関は加工貿易業者に対しては強い検査権限を持っていますので、製造委託者から無償支給された原材料については、委託者の資産として監視してくれることになります。少なくとも加工企業としては不正流用しにくい圧力となります。
むしろ問題は加工企業の品質管理能力です。期待した歩留まりが維持できなければ、採算面に悪影響を及ぼすだけでなく、税関から原材料の不正流用の疑いをかけられ関税増値税を課せられることもありえます。
なお日本での製品輸入の際にインボイスには無償支給した原材料代などはオンされていないわけですから過少申告と見られないよう、評価申告することになります。
なお無償支給した原材料は使用され消費されるまでは、日本の委託先企業の資産として会計帳簿にのせていなければなりません。この点から、進料加工として原材料を中国加工企業への売り切りとすれば、現金にかえられる上に帳簿上の処理が明確です。また中国国内の仕入れ材料について進料加工企業は増値税の免除を受けられます。来料加工企業はもともと原材料無償供与を前提としており、中国国内仕入れ材料の増値税は還付を受けられません。


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